Imperial Coffee ESB / EL PARAISO 発売です!
TRUNK COFFEE さんとのコラボは、UFO / OMK も入れるとこれで8回目。
コロンビアの EL PARAISO "Double Anaerobic Washed" Lychee という豆をたっぷりつかいました。
"Anaerobic(アナエロビック)" とは「嫌気性」ということ。
コーヒーの世界で話題の技術です。
コーヒーの豆は通常、酸素がある状態で発酵されるのですが、Anaerobic の場合は、ステンレスのタンク等で、無酸素状態で発酵させます。
"Doubel Anaerobic" とは、その名の通り、チェリーの状態と、果肉を除去したあとの2回にわたって、この嫌気性発酵を2回するということ。
前にも書きましたが、このタイプの豆をトランクコーヒーさんにサンプルとしていただいて以来、「いつかこれでビールをつくりたい!」と思っていました。
それが今回実現したというわけ。
ここ3回は、Imperial Coffee Porter だったのですが、今回は ESB、それも Imperial Coffee ESB!?
豆のフルーティーさを最大限に表現するために、あまりローストの影響を強くしたくなかった。
もともと、同じ気持ちでスタウトじゃななくてポーターをベースにしてきていたのですが、今回はさらにもう一歩。
というわけで、もともと大好きで、ここのところ何度かつくってきた ESBにすることにしました。
そもそも、"Imperial ESB" なんてスタイルがあるのかどうかわかりませんが、この強烈な香りを受け止めて、閉じ込めるには、ある程度の度数が必要だと思ったのです。
ローストはもちろん TRUNK COFFEE。
希少な豆で、実験的に小ロットでやった GEISHA 以外では、価格的にもいままでで圧倒的に高いです。
8.0%、IBU49。
色は、きれいな赤。
色から想像するよりも液体の粘度が高い印象で、泡持ちもすごくいい感じ。
今回は、完成するまでに、みんなで、何度も何度もテイスティングを繰り返しました。
豆は浅煎りだし、ビールにもローストの要素はなし。
なのに、香りを嗅いだ時点から、もうコーヒーです。
それも、あまり経験したことないくらいフルーティーなコーヒー。
口に含むと、豊かなマウスフィールで、甘みが口に広がります。
もちろん度数なりの甘みもあるのですが、確実にコーヒー豆由来の甘みが寄与しています。
コーヒーの香りといったらお終いなのですが、カカオのようでもある、コーヒー本来の香りをしっかり感じるのは、アナエアロビック ならではなのかも。
そして、圧倒的なフルーティーさ。
いちごみたいなベリー感を感じます。
そして、ミルクやバニラのような印象。
実は、この手の豆を飲むたびに、個人的にバレルエイジのビールを連想するのですが、もしかしたら、このバニラのようなニュアンスのせいかなと思っています。
乳糖とかはつかってません、念のため。
ちなみに、今回のメインのホップには、HBC630 という新品種をたっぷり。
プロフィール的には、今回のフルーティーさと共通するやつ。
というわけで、甘さだったり香りだったりが、果たしてコーヒーからくるのか、それとも、モルトか、いやホップなのか。
その境目は、ぼくらにもよくわかりません。
甘さを感じるとは書きましたが、ぼくらのビールですので、ホップの苦味もあって、フィニッシュはドライ。
度数も、そこまで感じないと思います。
いつも、「最良の食中酒」を目指すと言っているぼくらですが、こいつは、やっぱりコーヒータイム的なシーン用かな。
それも朝じゃなく、午後から夕方にかけてのイメージ。
素敵な本や、大事な方と、リラックスして飲む感じ。
ちょっと甘じょっぱい、高級なバターを感じるようなクッキーやパイ(もしくは "うなぎパイ" !?)とかが似合うかな。
この手のアナエアロビック の豆を、コーヒー単体で飲んだ時、すごく驚くのですが、正直、ぼくの淹れ方が下手なのか、香りにボディが負けている印象も感じちゃったり。
もしかしたら、その部分を補えるのがビールじゃないかなと。
豆自体、ものすごく魅力的なのですが、ビールと一緒になることで、単体とはまた別の良さが引き出せたんじゃないかなと思ってます。
な〜んて。
どうぞよろしくお願いします。
アルコール度数:8.0%
ビアスタイル:インペリアルコーヒーESB (そんなのがあれば)
限定 4800本