今年の9月で、志賀高原ビールも醸造開始から15年を迎えました。
10周年の際には、其の十が生まれたのですが、15周年を記念するビールも、やっぱり IPA がいいなと思っていました。
というわけで、その15周年記念 IPAが、この「一切皆苦」です。
思えば、其の十と同じく、「苦い人生」って言葉も 10周年の時からつかってます。
「ホップのある人生を!」ということで、自分で思いついたつもりになってました。
でも、甘かった。
先に考えた人がいたのです。
そう、お釈迦様って人。
「一切皆苦」は、「諸行無常」「諸法無我」「涅槃寂静」とならんで、四法印という、仏教の根本的な理念のうちのひとつ。
人生は思い通りにならない、ということ。
あんまりポジティブに聞こえないかもしれないけど、「人生は思い通りにならない」って思っていれば、
うまくいかないことや、嫌なこと、つらいことも意外に受け止められます。
ホップも、その苦みを受け入れて、はじめて香りの魅力を満喫できる!
ははは。
人生思い通りにはならないけど、雲の向こうには光がさすはず。こんなの飲んで、明るくいきましょう!
ってことで、
"IPA for a Beautiful Day"
っていう文字も添えてます。
6.5%、IBU52。
「最良の食中酒」を目指すぼくらが「自分たちで飲みたい」と思う、現時点での IPA の提案です。
どちらかというとクリアなブロンド。
その見かけを、ある意味、裏切る味が特徴です。
志賀高原ビールの他のどのビールにもまけないくらい贅沢につかったホップによる、柑橘系とトロピカルな個性が合わさった香り。
パッションフルーツとバレンシアオレンジを合わせたくらいなイメージかな!?
ほのかな甘みを感じるジューシーな飲み口。
でも、ちゃんと苦くてドライです。
そう、クリアでドライでありながらも、ヘイジーな IPA の個性をあわせ持つって感じ。
ヘイジーな IPAの魅力は大きいけど、ぼくらが感じるのはあくまでも、その香りの部分。
ネクターみたいなタイプも、ビールだけで飲む場合にはいいけど、時に食事には邪魔になったり、単体で飲むにも甘すぎたり感じちゃうことも。
ですから、ぼくらがニューイングランドスタイルの IPA をつくるときは、ドライで、きちんと苦くつくってきているのですが、今回はもう一歩進めて、その香りのいいところは残しながらも、よりクリーンで、食事に合う IPA をイメージしました。
ホップの微調整を続けて来て、最初の頃よりもよりキリッとして食中酒としての完成度も上がったのではと思っています。
今回が最終バッチ。
ちょっと名残惜しいですが、どうぞよろしくお願いします。
アルコール度数:6.5%
ビアスタイル:IPA
限定 2,853本